佐井好子

萬花鏡
ssw、詩人、画家。wiki
1975年録音。彼女のことを知ったのは、某レア盤専門店のサイトを見ていて、このなんとも形容しがたい表情のジャケットのLPに惹き付けられたのがきっかけでした。1970年代に出た4枚のLPは、1、2枚目と3、4枚目が一緒になって2枚組でのCD化でした。

このデビューアルバムが一番好きで、何度聴いたか分かりません。何か自分の心臓を自ら取り出して、ほら、これがアタシの心臓よ、と、はにかみながら見せているような変な血生臭さがあります。

アレンジが大野雄二さんで、ちょっとルパンぽいところもありますが、ルパンより前なんですね。
邦楽器の、琵琶と鼓を非常に効果的に使った、#5がいいです。#8の「二十才になれば、タバコをやめて~」の歌詞も最高です。
全体にこのアルバムは和の雰囲気があって好きです。この時点で22歳、恐ろしい才能です。

密航

1976年録音。2ndアルバム。
アレンジがクニ河内さんに変わって、控えめなアレンジが多いですが、彼女の唄がより際立っていいです。
「密航」ということで、前作と変わって、意識が外側に向かっていくテーマが多いのが印象的です。
文化の吹きだまりの島国、日本らしい感覚に満ち溢れて、素晴らしいです。
最後のタイトル曲#9の、「ふりかえれば地平線」の歌詞がいつまでも余韻として残ります。

CD化された4枚とも、音がいいですね。アナログ音源もこういう感じにデジタル化ができるのだなぁ、と感心します。